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Angler's Notes from Southern Alps

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2016年 02月 28日

2月22日 Sさんシーズン2度目の釣行

2月22日 Sさんシーズン2度目の釣行_e0098148_18473117.jpg


2月19日から1週間、常連のSさんをご案内しておりました。
そう。
このブログをチェックして頂いている方には記憶に新しい、この年末年始にもお越しのSさんです。
前回の、特にOreti Riverのドライフライのサイトフィッシングがあまりに刺激的すぎて、半ば勢いでシーズン2度目の釣行を決めてしまったのでした。
今釣行の狙いは「Oreti Riverのセミの釣り」です。

さて、Sさんのシーズン2度目の釣行の数日前までは、とにかく乾燥した日々が続き、各河川は渇水状態。
ようやくまとまった雨が降り、それが降り止んだのはSさんが日本を出発したその日でした。
なのでSさんが到着した日はまだまだ各河川は濁りをかかえ、回復途上。しかし、それがほぼ回復するであろう数日後は、天気予報もバッチリ。という状況の下スタートした釣行でした。

しかしここでレポートするのは、2月22日のOreti River最上流区間の1日のみ。
その前後で、ニジマスを10匹以上も釣った日があったり、67cmのブラウンが釣れた日があったり、とにかく良い釣りの毎日を送ることができたのですが、そんなことはこの1日の前ではほとんどどうでもよいことになったのです。

さて、その日。
天候は狙い通りの晴れ。
風は緩い南風。
増水から回復して、川の水量は理想的。
それまでの数日間は、増水と強風でプレッシャーは最低限に抑えられていたはず。
という、絶好のコンディションです。
早起きして、狙い通りに最上流の区間に真っ先に入ることができたのも、幸運でした。

朝は5℃を切る低温でしたが、セミの釣りは午後からが勝負。
なのでゆっくり時間をかけてポイントまで歩き、そこからさらにゆっくり釣り上がって行きます。
低温の朝のうちはやはり活性は低く、なかなか陸生昆虫狙いの捕食ポジションに魚は出てきていなかったのですが、気温が上がるにつれて川の雰囲気は良くなっていきました。

2月22日 Sさんシーズン2度目の釣行_e0098148_192390.jpgひとたびスイッチが入れば、それからは天国が待っていました。
プールや瀬のヒラキ。
バンク際。
流芯脇の浅瀬。

見つけた魚に慎重にアプローチして、セミフライを投入すると、捕食レーンを上手にとらえることができればほぼ確実に魚からの反応が。
中にはこの川の魚らしからぬ無警戒さでセミフライに飛びついてくる魚までいたのです。
そのほぼ全てが、60cmオーバー。

ある魚は、あっと驚くこんな感じ。
プールの倒木の下でさかんにライズを繰り返す、そいつを発見。
キャスティングするも、上級者のSさんらしからぬミスで大きくショート。
魚の50cmくらい真後ろにフライが落下したのです。
すると!!
くるっ!と魚が反転して、猛然とフライに突進してくるではありませんか!!
そのままフライを「がふっ・・・!」という感じで呑みこんだのです。
知っている方なら驚かれるはず。
あの、Oretiの魚がですよ!
普通ならフライを投げただけでも逃げ出してしまうくらいに神経質なあの魚たちが、です。
私も、これには唖然としました。
それほどやる気に満ちた状態だった、というわけです。

2月22日 Sさんシーズン2度目の釣行_e0098148_1974563.jpgとにかく、しっかりと魚を見つけ、しっかりとキャスティングし、ラインをコントロールする。
それだけです。

釣れる魚は、どれもがほれぼれするコンディション。
体高があり、幅もあるパンパンのボディのブラウンたちで、そのファイトも素晴らしいです。
最大は、66cmが2尾。重さにして、多分7~8ポンド(約3~3.5kg)。
最少は58cmで、これを見たときは小さく感じてしまったくらい。

釣れた魚は、全部で9匹。
口を使わせた魚は多分15匹くらい。
全部セミ。
全部サイト。
これは、この川としては「ものすごい」釣果です。
私もこんなことは経験したことがありません。
もうなんというか、感動の連続。
本当に、夢の世界にいるかのような1日といっても、言い過ぎではなかったと思います。


夢の時は過ぎ、長い長い帰り道。
2時間以上歩くことなんて、ぜんぜん辛くは感じなかったと思います。
歩いても歩いても、この日の釣りの色々な場面が頭の中では上映中ですからね。笑

はっきりと言えることは、この日のこの釣りは、最高の中の最高。
これ以上はありません。
トラウト狙いのフライ・フィッシングとしては、これより良い釣りなんて世界中にはないかもしれない、というくらいの「凄すぎる」釣りです。
ガイドとして、こんな釣りにご案内できたことは光栄です。
文章ではうまく伝えられませんから簡単なレポートになってしまいますが、どうかご容赦を。
「すごい!」ということだけ伝わればいいな、と思います。

by nzsanpei | 2016-02-28 19:24 | 釣り日誌 | Comments(0)


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