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Angler's Notes from Southern Alps

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2017年 02月 19日

やっと、夏。

やっと、夏。_e0098148_08374239.jpg
これまで記録的な冷夏に悩まされておりましたが、やっとここ数日は夏らしい気候になりました。
今日も最高気温は25℃を超える見込み。
日差しの下の体感温度は、30℃を超えます。

なので川には何か変化が起こっているのでは?と期待しつつ、やっとみつけた仕事の隙間に、Oreti Riverの今シーズンまだ手を出していない区間の様子を見に行って来ました。
一番の気がかりは「セミ」でした。
晴天が続いて気温が上昇すると、きっとセミが河原ではたくさん鳴いているはずで、そうすれば魚たちにとってはたまらなく美味しいタンパク源となるはず。
さて、果たして魚たちはセミを意識し始めただろうか?

結論から言うと、残念ながらセミは不発。
セミフライ(シケーダ)に反応してきた魚は皆無でした。
しかしその代わりに、テレストリアル系のフライへの反応は抜群で、#12~#14のドライフライが効果的に魚を水面に誘い出してくれたのです。
午後半日で、66cmを筆頭に6尾をキャッチ。さらに3尾がキャッチには至らなかったものの、フライを食べてくれました。
これはこの川にとっては、相当の好釣果です。
そしてどの魚も、パンパンのグッド・コンディションで、まあ引きの強いこと。腕が痛くなります。
ということで、セミの釣りとはいきませんでしたが、夏風味の釣りはたいへん好調です。

やっと、夏。_e0098148_08380228.jpgそれまでの数日間は、STさんを1週間に渡りご案内しておりました。
その時点では全く夏らしくない気候の毎日。
低温&低水温&低活性に毎日のように悩まされました。

初日はマタウラ川上流部で肩慣らし。
しかしこの日はとにかく魚たちのやる気が見られず、大苦戦。
それでも3尾はフライを食べてくれましたが、そのうち1尾だけが何とかランディングに成功して、何とかボウズを免れた、というほどでした。

なので翌日は、マタウラ川下流部でリベンジ。
強い風の日で、時折激しい通り雨に襲われるような日和ではありましたが、ほぼ1日中小さめのビートル・パターンで、バンク際や瀬の中からテンポ良く魚を誘い出すことができました。
この日はしっかり数釣りができました。

さて、その次の2日間が今回のクライマックス。
天候が回復したタイミングを狙って向かったのは、Oreti Riverです。低水温&低活性は分かっていましたが、よほどの上級者でない限りは天候が良くなければ狙えない川。STさんがぜひチャレンジしてみたい、という川だったこともあり、訪れることとなったのです。
しかし、しかし…、なんとこの日の朝の気温は0℃。川について車を停めたところの周囲は霜が降りて真っ白。
2月でこの気温は、記憶にありません。ちなみにその時点での水温は8℃。
ということで、勝負は気温が上がり、陸生昆虫の動きが活発になる午後と決めて、午前中はやる気のありそうな魚だけを相手にしながらゆっくりと釣り上がったのです。
そして午後。
川の雰囲気が変化して、フライへの反応が見られ始めました。
水面を割って、大きな三角の頭が「ゴボッ!」と出てきてフライを吸い込む・・・・。
そんな光景が何度が繰り返されましたが、その度になぜかフッキングしなかったり、合わせ切れしてしまったりの連続で、ついに魚を手にすることができずに1日が終了したのです。
しかしSTさんはこれで心が折れるような釣り人ではありませんでした。
その翌日も好天が見込まれ気温ももう少し上がりそう、と知るや「明日、もう一度!」とのリクエスト。

やっと、夏。_e0098148_08381410.jpgということで、翌日も同じ川に再挑戦となったわけです。
なんとこの日も、朝の気温は0℃!
しかしこの日は気温の上昇が早く、正午近くには周囲でセミの声が聞こえ始めました。
そして午前中の終盤に、待望の1尾をゲット。
瀬のヒラキのバンク際に定位する魚に、ビートル・パターンを一発で捕食レーンに投入すると、その魚はゆっくりとしたフォームでフライを吸い込み、そして見事にフッキング!
そこから250~300mは河原を走って魚を追いかけ、たいへんハラハラするファイトになりましたが、最後にはしっかりとその魚を手にすることができたのです。
STさんの感動もひとしお。この1尾が今釣行で最も思い出に残る、最高の1尾となりました。
その日はさらに2尾を追加して、合計3尾。
これは、この川初挑戦としては素晴らしい釣果です。
これでSTさんの心はかなり満たされたようでした。
しかしこの2日間でSTさんのキャスティングは随分と上達しました。
集中力が要求される中でロッドを振ったことにより、2日目にはほぼ一発で狙った場所にフライを投入することができるようになっていたのです。これも、この日の成功の大きな理由の一つ。

そして最終日は、心も軽くニジマス釣りに。
バラシが多く(実は、STさんの持ってきたティペットに問題があり、随分とラインブレイクしたのです。)、恐らく20尾に迫る数の魚からのアタックがありましたが、最終的にはそのうち8尾のニジマスと1尾のブラウンを、全てドライフライでキャッチ。
とても楽しい1日でした。
これで、STさんの釣行がおしまい。
サイトフィッシングの醍醐味を存分に味わって頂けたかな、と思います。


さて、まだまだシーズンは続きます。
夏らしいセミの釣りは、果たしてできるでしょうか?
乞うご期待!!


by nzsanpei | 2017-02-19 09:27 | 釣り日誌 | Comments(2)
Commented by ST at 2017-03-08 17:35 x
冨士本さん、1週間の釣行では大変お世話になりました。記録的な冷夏ということでシケーダの釣りはできませんでしたが、冨士本さんの的確で粘り強いガイドのお陰で、大変思い出に残る楽しい旅になりました。ブログに書いてある通り、Oreti Riverで、1日目に〇ボをくらった後の2日目の最初の1匹が、最高に印象に残っています。最終日のニジマスの川も、日本の川ではありえない釣りができ、楽しかったです(ティペット問題なければ15匹はイケてましたね?)。今後NZでガイドをお願いする時には、また連絡させて頂きますので、(これに懲りずに)宜しくお願いします。PS このブログをご欄の皆さん、冨士本さんお勧めです!
Commented by nzsanpei at 2017-03-10 02:51
>STさん
温かなコメント、ありがとうございます。
やはり、苦労の末についに釣り上げた、あの1尾が今回のベスト・フィッシュですよね!ティペット問題の原因もわかったことでもあり、次回はさらに良い釣りになること間違いなしです。
次のお越しをお待ちしております!


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