人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Angler's Notes from Southern Alps

sanpeiinnz.exblog.jp
ブログトップ
2011年 01月 07日

12月30日、31日、1月1日 Sさん釣行【前半】

12月20日過ぎから始まった超不安定な天候が、やっと昨日(1月6日)をもって終了してくれたと信じたい。そんなたいへんな年末年始でした。おかげさまで、各地の湖の水位が警戒水位に達したほど。
年間700mm少ししか雨が降らないクイーンズタウンでも、この期間で100mmを超える雨が降りました。もちろん各地の川は増水。
これだけで、いかにこの年末年始のガイディングがたいへんなものだったかを察してくれたあなたは、本当に素晴らしい人です。笑

この年末年始は、ずっとリピーターのSさんをご案内して、周辺の川を走り回っておりました。
Sさんは、こちらに到着した日の午後から、帰国日の飛行機が出るギリギリまでの全ての時間を釣りに費やすつわものです。もちろんですが、フライ・フィッシングの腕前も、かなりの上級者です。
そんなSさんの釣行の様子を、遅ればせながら(ブログをアップする余裕がありませんでした。)ご報告。


《12月30日》
Sさんが日本から到着したこの日は、数日続いた雨の影響で、各河川は完全に増水状態でした。
テ・アナウの宿に到着してランチをとった後から、肩慣らし?の釣りに早速出かけましたが、かろうじて釣りが可能な数ヶ所を見つけてロッドを振るのみに止まりました。
魚たちの活性も高いものではなく、釣果ゼロ。魚の姿すら見えませんでしたね。
まあ、これは仕方がない結果だったと思います。

《12月31日》
この日は、数日前から眼をつけていた、とっておきのレインボーの川へ。この川は、歩くのを厭わない人だけをご案内できる、特別な川です。なぜかここだけ雨の影響があまりなかったのです。
そして結果はと言うと、曇りの天候ではありましたが、恐らくそれまでの悪天候で数日間は釣り人が入っていないであろうと思われる、絶好のチャンスをものにできました。

12月30日、31日、1月1日 Sさん釣行【前半】_e0098148_17593091.jpg釣りは、予想通り素晴らしいものになりました!
60cmオーバーを含む、元気なレインボーが10尾以上。
平均サイズは55cmを超えていたはずです。というか、それ以下のサイズは1尾だけだったはず。
釣り方も多種多彩。
ドライフライは、サイト・フィッシング中心でしたが、時にはブラインドでも釣れました。
ニンフのルースニングはいつもどおり。さらにSさん初体験のアウトリガー・スタイルのニンフィングは、その日の最大魚をキャッチ!あたりは、手に直接「ズシン!」ときます。
行きにフライを見切った魚を、帰り道でまんまとゲット!なんてこともありましたね。
とにかく楽しい釣りが、最初から最後までできました。1年の締めくくりにふさわしい釣行でした。
満足。

ちなみにフライは、テレストリアルのパターンが中心ではあったのですが、中でもSさんオリジナルのビートル・パターンが実に効果的でした。そしてそのフライが、その後の釣りでも大活躍することになったのです。
どんなフライか気になりますね。ええ、作者の承諾なしでは教えられません。笑

《1月1日》
1年の計は元旦にあり。
前日は良い締めくくりでしたが、この日は良いスタートを切るという使命が!
なのに向かった先は、難関の「Oreti River」。
前日の釣りで余裕があったので、一発勝負に出ましょう、ということになったのでした。
後、川の増水がようやく落ち着いたタイミングで、プレッシャーがかかっていないことが予想されたことも、この判断を後押ししたのでした。

天候は久々の快晴。風も穏やかで、気持ちの良い日でした。
そして川の状態は、期待通り最高。薄く濁りが残るだけの状態。そして、釣り人が入った形跡は皆無。

12月30日、31日、1月1日 Sさん釣行【前半】_e0098148_18175432.jpg川に降り立ってから2つ目のポイントが、この日のスタート。しかも、ちょっと刺激的すぎるスタートでした。

浅い流れにゆらゆらと揺れる大きな影。
きっちりとレーンを通したドライフライを、何の疑いもなく鼻っ面を水面から出して吸い込んだブラウンは、その後まだ増水が収まりきっていない急流を100m以上も下流にダッシュしたのでした。もちろん釣り人も猛ダッシュ!
息を切らせてやっとのことでネットに収めたのは、63cmの太~い奴でした。
2011年の最初の魚がいきなりこんなにすごい奴になったのですから、そりゃ嬉しいに決まってます。
しかも、完璧なサイト・フィッシング。
フライ・フィッシングをする人なら、誰でも憧れるようなシーンが展開されたのです。

「やれやれ」と、1尾目の興奮が冷めやらぬまま再びロッドを手にして元のポイントに戻り、その上の瀬に目をやると、そこにはまたまた大きな黒い影!
今度はニンフでまんまとフッキングさせたと思ったら、やっぱりまた100m以上も走られてランディング。
コンディション抜群の特大サイズの連続ヒット。も~う、疲れました。そして心底幸せでした。Sさんも私も、にやけた幸せ顔が止まりません。笑
で、この日はこれが続くのです。

12月30日、31日、1月1日 Sさん釣行【前半】_e0098148_18381967.jpg定番のニュージーランド・パターンのフライを見切った魚には、Sさんのビートル・パターンが絶大な効果を発揮。
ドライで、ニンフで、次々にこの川のすれっからしのブラウン達の心を射止め、最終的にこの日は10尾以上をフッキング。Oreti Riverでは、なかなか出会えない素晴らしいというか、もの凄い釣りを体験したのです。
この川を知っている方なら、きっとこれがどれほど凄いことなのか、わかっていただけるはずです。

バックウォーターの止水をクルージングする魚を、ロングキャストで仕留めたこともありました。
ちょっとした小さな瀬(のような小さなポイント)で、ニンフで連続ヒットなんてこともありました。(そのうち1尾は、フッキング直後から激走。そのままラインを振り切って行ったとさ。)
とにかく、最高のロケーションの中、恐らく世界最高と言って良いクオリティの釣りを存分に楽しんだ1日となったことは、疑う余地がありません。きっと、2011年1月1日に釣りをした釣り人の中で、一番幸せな人がSさんだったと思います。
そんな、フライ・フィッシングって本当に素晴らしい、と実感させてくれた、元旦のバックカントリーでの1日でした。


さて、この後天候はさらに不安定になり、元旦の夕方からは雨が再び降り出します。
この後のSさんの釣りはどうなるのか?
次のアップへと、レポートはさらに続きます。

by nzsanpei | 2011-01-07 19:10 | 釣り日誌 | Comments(0)


<< 1月2,3,4日 Sさん釣行【後半】      明けましておめでとうございます。 >>