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Angler's Notes from Southern Alps

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2006年 11月 07日

11月6日 宝物の沢で、オショロコマを思い出す

クイーンズタウンから1時間と少し。Hawea湖方面へ。

今日のテーマは、「新たなポイントの開拓」です。北海道であちこち釣り歩いていたときも(あ、私は札幌出身です)よく名も無き沢に入っていったものですが、予備知識が無いところにはじめて行くのって、すごくワクワクしませんか?なんだか宝探しみたいで。そして、宝物が出てきたとしたら、それは最高です。

ということで、宝探し第一弾は比較的よく知られた小規模な川ですが、これはまんまと外れました。魚はちらほらいて、時には数尾固まっていたりもするのですが、全然フライに反応しないばかりかなんだか様子が変です。1尾のレインボーの周りをもう1尾が行ったり来たり。いきなり尻尾で底の砂をバフッと・・・!なんと、産卵行動ではありませんか!春も盛りだと言うのに今頃スポーニングに出くわすとは思いませんでした。他の河川より2ヶ月は遅い産卵行動(spawning)に唖然。よくみると、他に出会う魚たちもみなその様子。これはそっとしておいてあげましょう、ということで、あえなく移動となったのです。

11月6日 宝物の沢で、オショロコマを思い出す_e0098148_19562273.jpg30分ほど湖に沿って車を走らせていると、湖に注ぐ小さな流れが眼にとまりました。下りていって見ると、いかにもチョロチョロといった感じの細く弱い流れ。道路の下をくぐって、ブッシュの中に続いているようです。普通なら絶対釣りに入ろう、なんて思わないでしょう。でも今日はある意味冒険の一日。とりあえずフライロッドを片手に小川をさかのぼっていくことになったのです。

奥に入っていくと、あら意外。狭い谷間を流れる小川はけっこうまとまった流れになって、程よいプールが点在するきれいな小渓流と言った感じ。これなら魚もいるかも、と少しだけ期待。川幅は広い所でも3mくらい。まるで北海道の、知床のどこかの沢のような様相です。ドライフライをそっと落とすと、今にもあの愛嬌のある顔のオショロコマが飛び出してきそうな・・・。

11月6日 宝物の沢で、オショロコマを思い出す_e0098148_20135065.jpg左の写真に写っているのは、同行したひでくん。いかに小さな川かわかりますよね。ニュージーランド広しと言えども、こんなところで釣りをする機会というのは、そうそうありません。
冷たく、透き通った山間の輝かしい流れ。苔むした河原の岩盤。水面に落ちる木々の影。
貴重な体験でもあり、どこか懐かしい雰囲気も漂い、思わず久しぶりに日本の渓魚たちの釣りがしたくなってしまう、そんな時間をしばし過ごしたのです。




小さいながらも深みがあるそれなりのプールには、決まって1~2尾のレインボーが入っていました。川は小さくてもサイズはニュージーランド。どれも立派な魚たちで、ここでも産卵行動が見られます。きっと魚たちにとっては大切な産卵場なのでしょう。まだまだ産卵モードの魚たちを驚かさないように、少し上流まで足を伸ばした後、この小さくてきれいな、きらきら光る宝物のような沢を後にしました。

11月6日 宝物の沢で、オショロコマを思い出す_e0098148_20311360.jpg


宝物の沢の、まだ婚姻色が鮮やかなレインボー。
53cm。

by nzsanpei | 2006-11-07 20:52 | 釣り日誌 | Comments(0)


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