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Angler's Notes from Southern Alps

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2008年 08月 08日

真冬の湖で熱くなる!?

真冬の湖で熱くなる!?_e0098148_1013951.jpg先日ルアーのお客さんをご案内した、湖に注ぎ込む川の河口へ行ってきました。あまりにもたくさん見えていたマスたちが、脳裏に焼きついて離れない状態ではデスクワークもままならないので。(^^ゞ

冬なので、出発はゆっくり正午過ぎ。釣り場に着いたら午後1時。これくらいで丁度いいんです。
当日は、ゆるーく風が吹き、冬とは思えないほど暖かな穏やかな日でした。周囲には誰もいなくて、釣り場は基本的に独り占めとなるあたりも、冬の良い所。シ~ン・・・と静まり返った中、時折マスのライズ音が響く、絶好の日和です。唯一の難点は、サンドフライ(ブヨみたいな虫。刺されます)かな?風がない穏やかな日には、とにかくうるさい。

魚は、相変わらずたくさんいました!
澄み切った水のなかに、車を停めた場所の目の前の浅瀬から、あちこちにクルージングしている魚たちが見受けられます。釣りをしていた時間を通して、魚を見つけるのには全く困らない、というくらい魚は多かったです。たいていは湖のかけ上がりの際に沿って回遊しているのですが、アクティブな魚は膝下くらいの深さの「フラット」にまで進入してきて、時にライズしながら何やら捕食しているのです。

釣りは、完全にサイトフィッシングになります。
ただ、難しい。
湖面は完全に真っ平らの状態。
そよ風が吹いて、さざ波がわずかに立っている様な一瞬のチャンス以外では、魚の半径2m以内にフライが(ラインが)落ちようものなら、一目散に魚は深みに消えていってしまうのです。
だから魚の回遊コースを読んで、5mくらい離したところにフライを落とし、近づくのを待つわけですが、それでもたいていはフライを見に来る程度でオシマイ。魚に口を使わせることができる確率は、20分の1くらいでしょうか。それでも魚の数が多いので、全然気にならない確率の低さです。

真冬の湖で熱くなる!?_e0098148_10344642.jpgいやそれにしても、楽しい釣りでした。ドライ半分、ニンフやストリーマー半分、といったところでしょうか。タックルはリーダーから先以外は全く全編通して変更無しの、#5ロッド+フローティング・ライン。
時には水中をリトリーブしたビーズヘッドのMSCを追いかけてバイトしてくる瞬間まで目撃したり、また時にはパラシュートタイプのドライフライをバクッ!と食べてくれたり、また時にはストリーマーをリトリーブする手元に突然の生命感が伝わってきたり・・・と、ありとあらゆるフライ・フィッシングの楽しさを味わうことができました。釣り損じた魚も多数。

悔しかったことが一つ。午後5時くらいから始まったミッジのハッチにあわせて、河口の流れ込みの脇では魚たちがミッジ・パーティーをくりひろげていました。穏やかな夕方の定番です。その数たるや、凄い。見渡した水面に、多い時では10を軽く超えるライズが!!!どの魚もスローモーションのようなヘッド&テイルで悠々とミッジを漁っているんです。それでいて、釣り人との間合いはしっかりと保つあたりが心憎い!
光線量が落ち、夕焼けが淡いピンクに染めた真っ平らな水面に、シルエットになって見える魚の大きな頭や尾びれが印象的。しかし、ついにこの魚たちを1尾たりともフックアップすることはできませんでした。
フックサイズにして#20くらいのミッジですが、どうやらフライを研究する必要がありそうです。問題は、そんなに小さなフックを使うことが極端に少ないニュージーランドでは、#20のフックを入手できる場所が限られている点です。#18で代用するか、わざわざ取り寄せるべきか・・・。

この日のクライマックスは、上の写真のブラウンです。
小さな流れの流れ込みに付随した浅いプールで、ゆっくりと回遊しつつエサをついばんでいました。時々見えない何かにライズするので、5Xのティペットにドライフライでチャレンジ。こういう魚もたいていは、人影やフライやラインの着水音に驚いて逃げてしまうので、それほど大きな期待はしていませんでした。
フライを水面に張り付くように浮くフローティング・ニンフにチェンジした1投目。ゆっくり近づいてきて、ゆっくり水面近くまで頭をもたげて、そして吸い込むようにフライを食べたんです!
そこからが大変。一気に開けた湖本体まで下り、凄いトルクのある走りを止めようとしません。何せティペットは5X。魚は間違いなく60cm級という認識があったので、こちらも無理はできません。しかも、バッキングラインを15m前後引き出されていましたから、細いラインにかかった、魚のパワー+ライン重量+水の抵抗 は相当なもの。ドラグを緩く保って、慎重すぎるくらい慎重なやりとりが、10分くらい続いたと思います。
ネットに入れて初めて、魚の大きさに気づきました。だって、尻尾がネットの端からはみ出ているんだもの。
68cm。シーズン盛期でもなかなかお目にかかれない大物に、すっかり心も体も熱くさせられたのでした。


久しぶりに夢中になってロッドを降り続けて、暗くなって気がついたら、空にはきれいな夕焼けが広がっていました。冬の湖の釣り、まだまだ楽しめそうです。
真冬の湖で熱くなる!?_e0098148_11122640.jpg


by nzsanpei | 2008-08-08 11:16 | 釣り日誌 | Comments(0)


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