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Angler's Notes from Southern Alps

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2008年 11月 01日

10月31日 テ・アナウ方面 

10月31日 テ・アナウ方面 _e0098148_1250254.jpgどこにでもある、Angler's Accessのサインの看板と、やはり今ではお馴染みになった、その下のディディモへの注意喚起を促す黄色の看板の前に車を停める。

10月最後の強風の日は、今年初のテ・アナウ方面への釣りでした。
この川、10月中に必ず訪れておきたかった川です。というのも、釣りはもちろんのことながら、ディディモの現状を確認しておきたかったんです。実はこの川、ニュージーランドを揺るがすディディモが最初に発見された川です。だから、何だかその黄色の看板も、特別な意味を持っているような感じがして、仕方がありません。

ディディモが発見される前までは、綺麗な山岳渓流でした。
大き目の石の川底に青々とした水が流れていて、時には牧場の中を、時には原生林の小脇を程よい落差で流れる、大好きな川でした。魚たちもいつもコンディションが良くて、特にここで釣れる幅広のレインボーの引きは強烈そのもの。春でも、夏でも、秋でも楽しめました。

それがディディモの出現によって、ずいぶんと変貌を遂げたような気がするのは、自分だけではないはず。
青かった川底は汚らしいその藻で覆いつくされ、黄色のいかにも不潔そうな姿に変わり果ててしまったのです。水中から河原の石をビッシリと覆いつくした、その汚い藻の上を、グニョグニョした感触を常に感じつつ歩くのは、決して気分のいいものではありませんでした。
魚たちだけは、水中に見える景色の変貌にもたくましく対応しつつ元気だったのが、せめてもの救いだったと思います。

さて、そのディディモはもちろんまだまだこの川に存在しているわけなのですが、少しずつそのあり方に変化が見られるような気がした、というのが今回の結論です。他との比較も必要なので、これについては別の機会で詳しくレポートしたいと思っています。

ということで、話は釣りへ。

10月31日 テ・アナウ方面 _e0098148_1355371.jpg上流からの強風が吹き荒れていましたが、川は水量も程よく、絶好の雰囲気を醸し出していました。水温は10℃。気温は15℃。
残念ながら開けた場所にある瀬やプールは、その強風のためにロッドを振ることすら出来ない状態だったのですが、それなりのポイントには必ず魚がついていたあたりは、さすがです。
大きなプールには常に数尾の魚の影があって、フライへの反応も上々。

この川はレインボー7割、ブラウン3割くらいの川ですが、今回はどちらも元気な姿を見せてくれました。

最初の写真の魚はブラウン57cm。
大きなプールの最上部の早い流れ込みで、軽くウェイトを巻いたカディスのケースド・ラーバをさっと持っていった元気な奴です。
レインボー顔負けの疾走と華麗なジャンプを何度か決めてくれました。

10月31日 テ・アナウ方面 _e0098148_13134795.jpg後はレインボー達が適度に遊んでくれました。元気な魚は川を100m近くも走り下るんですから、釣る方も必死です。

どうやら今年は産卵が平年より遅かったらしく、未だ回復途上の力のない個体もいましたが、基本的に順調に魚達は冬を越したようです。こういう年は、夏場の釣りの期待大です。今からドライシーズンが楽しみ。

面白かったのは、後半に入ったセクション。
200mくらい上流に先行者が一人。なかなか手馴れた釣り人のようです。
普通なら、この時点で釣りをせずに別の場所に移動ですが、ここではそれをしないのが常。
というのも、この川の特に上流部は、川を知ってさえいれば魚の付き場が意外な所にあったりして、よほど川を熟知した人以外、可能性のあるポイントを「釣りきる」のは無理なんです。
つまり、「大場所」に魚は多少いますが、それ以上に「小場所」が肝心というわけ。

実際先行している釣り人は常に視界に入っていましたが、魚を釣り上げた気配は全くありませんでした。
で、後をついていっている自分はというと、「ちょっとした場所」から比較的コンスタントに魚を引きずり出して、なかなか楽しい時間を過ごせた、というわけです。ちょっと優越感♪

ザラッと流れる瀬の、ほんの少し水深が変化した所。
プールの開きの流速が早い側の岸際によくできるちょっとした深み。
早くて深い瀬の、より早い方の岸際にできるちょっとした緩い流れの帯。などなど。
並べればどれも魚のいる可能性があるポイントですが、たくさんあるそんな場所のなかでも、特に可能性が高い場所、というのがあるんですね。

まあそんな感じで、ディディモのことはよけておいて、なかなか楽しい時間を過ごした、10月最後の釣りでした。


さてさて、今日から11月。
いよいよ標高の高いエリアや、湖に注ぐ川が南島全域でオープンです。
場所とタイミングさえ合えば、時にはお祭り騒ぎになるこれらの地方の春の釣り、天候や冬の降雪量から判断するに、今年は相当楽しめそうです。

by nzsanpei | 2008-11-01 13:40 | 釣り日誌 | Comments(0)


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