2020年 02月 07日
荒れた11,12月の天候が落ち着き、晴天続きとなった1月。 そしてその安定した天候が終わりを告げた1月30日にやってきたのが、和歌山からやって来た常連のNさんとTさん。 Nさんは「嵐を呼ぶ男」で、これまでも季節外れの大雪や台風の直撃などの悪天候を呼んできた方です。 そして今回も・・・。 1月30日。それまでの落ち着いた天候が嘘のように変化して、風が吹き荒れ始めました。 その風の中、日本から到着したお二人を乗せて、車は一路、それから4日間の拠点となるテ・アナウへ。 天気予報は悪化の一途。 ガイドとしてはとても頭の痛い釣行前日でした。 〔1日目 1月31日 サウスランド地方〕 1、2日目のテーマは「風」。 強風により、クイーンズタウン周辺では道路脇の木がなぎ倒されて交通障害を生んだり、背の高い車が道を逸脱したりするような日になりました。 風を避けて釣りができる場所を探して向かったのは、サウスランドの某河川。 川の流れる方向に対して風が真横から吹くような位置関係であれば、河畔林が風を遮って風裏をうまく作ってくれる、との読み。 幸いにも、概ねその読みは正解で、1日を通してそれほど風に悩まされることなく釣りは進行しました。 魚は?と言えば、午前中は低活性。 でも午後から活性が上がってきて、浅瀬や岸際のエグレなどに魚の姿ちらほら見え始めます。 フライは、主に小さなビートル系。見つけた魚の鼻先にしっかりとフライを通してあげると、だいたいの魚は反応してくれました。 サイズは45~55cm。 コンディションの良い魚ばかりなので、それほど大型ではなくてもファイトは格別です。 数はそれほど出ませんでしたが、難しい条件の中では十分な肩慣らしになったのでした。 さあ、天気はさらに荒れて行きます。 ところで風の中でもキャスティングを正確に決めることができないと、こちらの釣りは成り立ちません。 強風の中のキャスティングには、いくつかコツがあります。 まず、サイドスローは禁物。フライもラインも風に舞い上げられます。 ロッドを立てて、縦方向のキャスティングが肝心。そしてループを水面に向かって前下がりに、かつ狭いループで。 ラインがターンオーバーした時に、その先端のフライが着水するようなループを描くことができれば、風の影響は最小限に止められます。 つまり、空中でラインが伸び切ってから、フライが水面に落下するのではなく、伸び切ったラインの先端が水面になる=フライが落下する時間がない軌道を描くのです。 あと、力んじゃダメです。肩の力を抜いて、リラーックス!笑 〔2日目 2月1日 テ・アナウ近郊〕 当初は昨シーズンにお二人が良い釣りをした、難関のOreti Riverへ行こうという計画でしたが、あまりにも風が強くて行先を変更することに。 比較的風を交わせる近くの川への釣行となりました。 曇り空でなかなか水中が見えない状況では、サイト・フィッシングとはいきません。 ここは我慢強くブラインドでロッドを振り続けることに。 なかなか結果につながらなかったのですが、Nさんの執念が2匹のレインボーを流れの中から引きずり出したのでした。 特に2匹目のファイトは強烈で、走る魚を追いかけて河原を50mも下ったところでランディング。さぞ大きな魚かと思いきや、50cm弱の中型だったのですから、驚きました。 この川。ディディモの侵入の前までは幅広の素晴らしいレインボーがたくさん釣れた川だったのですが、ディディモ感染以降は魚のコンディションが今一つの状態が続いていました。しかし今年は春先から荒れた天候続きで川の水位も常に高い状態だったために、ディディモが減少。それにより今シーズンの魚はディディモ感染前を思い出させるようなコンディションの良さです。 やはり、ディディモは悪者以外の何者でもありませんね。 その後、なかなか厳しい釣りが続いたので、さらに川を変更。ここも河畔林を味方に付けて、風を回避。 ここではTさんが活躍。 まずは浅瀬に定位していた56cmの良型レインボーを「ガバッ!」とドライに出して、見事にランディング成功。 お次は深瀬のポイントをブラインドで攻めると、ここぞというポイントから魚の頭が飛び出して、フライを咥えて行きました。 こちらはやはり良型の、今度はブラウン。 短時間ではありましたが、内容の濃い釣りをしてこの日は終了。 さあ、翌日からいよいよ雨がやってきます!! コロナウィルスで言えば、中国の武漢にあたるところ。 今シーズンはディディモが少ないとは言え、左の写真のような場所がそこかしこに見られます。 底石が茶色に見えるのは、全てディディモ。 ブヨブヨした海綿状の藻(正しくは、ケイソウ類)が、川底一面を覆っているのです。さらに水中には、石から剥離したディディモの「カス」がたくさん漂うのですから、ひどい時には釣りになりません。 ディディモが侵入するまでは、底石がピカピカの綺麗な川底の川でしたが、ものの1~2か月でこんな状態になってしまったのです。私も大好きな川の一つだったので、最初にこの光景を目の当たりにしたときはさすがにショックでした。 現在、南島の大多数の川がこのディディモに感染しています。 釣り人に出来ることは、細心の注意のもとにこれを拡散しないこと。 ディディモの胞子は目に見えないので意識が甘くなりがちですが、見えないからこそ脅威。徹底的な対策が必要になります。 何より大切なのは、道具の消毒です。法律上の義務ですから、怠ると罰金や懲役に科されます。 川の水に付いた全ての道具を、毎日、あるいは川を変えるごとに消毒しなければなりません。ロッドも、リールも、フライも、ネットも、とにかく全てです。 方法は以下の3通り。 ・塩素系の漂白剤の水溶液に道具を一定時間漬ける ・完全冷凍 ・完全乾燥(48時間以上) 「知らなかった」では済まされませんので、しっかりとした知識を持って行って下さい。 釣り人として、自分自身の行動の結果一つの川を殺してしまうようなことになったとしたら、悔やんでも悔やみきれませんよね? たとえ罰則がなかったとしても、義務と感じなかったら釣り人失格です。 最近どうも、意識の低い釣り人や、正しい情報を身に着けていない釣り人が日本人の中にも多いようなので、再び書かせて頂きました。 つづく #
by nzsanpei
| 2020-02-07 18:28
| 釣り日誌
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2020年 01月 29日
1月に入ってから天候が回復して、晴天続き。夏本番です。 そうなると今シーズンも始まる、ウィロー・グラブへのライズ。夏の重要テーマの一つ。 上の写真のような、柳の木が水面に覆いかぶさるゆっくりと流れる場所で、けっこうな数の魚たちがライズを延々と繰り広げるのです。 ウィロー・グラブは、以前にもこのブログで紹介した小さな緑色のイモムシ。こういった場所ではけっこうな数が流下するのです。 「今年も始まった!」と言うべきか、「あーあ、今年も始まっちゃった…。」と言うべきか。 というのも、このマスたち、なかなか釣れません。無心にライズを続けているのでそれらしいフライを投入するとあっさり・・・、と思いがちなのですが、とんでもない! 見事にフライだけを無視して、何事もないかのようにライズを続けるのです。 始めてこのシチュエーションに出会う人は、まあだいたいムキになります。笑 フライをとっかえひっかえ、1時間でも2時間でも同じ場所、同じ魚と向き合えます。笑笑 ということで、この日。 しばらくは夏風味のドライフライで数尾の魚と遊んだ後に、いよいよウィロー・グラバーとの対決となりました。 色々とやり方はあります。 浮かせる。 沈める。 トレーラーにする。 ティペットを細くする。 無視して別のフライを投げる。笑 目の前に落とす。e.t.c. そんな感じで、口を使わせることができた魚は、4尾。 まあ、上出来の部類ではないでしょうか。 それにしても、今シーズンの魚たちは元気ですね。 よく暴れるので、フックを伸ばされることもしばしば。 フッキング後も心してかからなければいけません。 ということで、夏の釣りが好調です。 さてガイドのご予約ですが、2月は一杯。 3月、4月はまだ空きがあります。ハッチ&ライズの釣りが良いシーズンです。 どうぞお早めにご連絡下さい。 それと! レンタカーを使って単独釣行、というご計画をお持ちの方。 交通事故が多発しています。くれぐれもお気を付け下さい。 そしてルールやマナーをしっかり守りましょう。「知らなかった」は通用しません!! ディディモ消毒も、しっかりしないと犯罪です。 #
by nzsanpei
| 2020-01-29 07:34
| 釣り日誌
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2020年 01月 21日
2020年 01月 09日
ようやく天候が落ち着いてきたので、2020年の初釣りへ行って来ました。 ハイプレッシャーの某川。 川に降り立ち、曇り空に光って見えづらい水の中を凝視しながらゆっくり、ゆっくり進むと、浅瀬に魚と思しき影。 しばし観察して、ライズもしないのでニンフかな?でもこの時期だし浅い所にいるし、ドライでもいけるかな?と熟考。 「よし、ドライにしよう。」と決心して、黒っぽいテレストリアルのフライをティペットに結んで、いよいよ今年のファースト・キャスト。 風は強めの向かい風。 いつもより少しラインスピードを上げて投入したフライが魚の1m上流に着水して、ゆっくり流れ下る・・・。 「モコッ。」という感じのライズとともに魚がフライを吸い込んだのを確認して、一呼吸おいてフッキング! 相当なスピードで「ビューーーーーーン!」と川の真ん中まで走ったところで、「バババババッ!!」とテイルウォーク。 お次は対岸近くまでさらに走って、「ドバーン!」とジャンプ。 なんとまあ元気な魚だこと。 釣り上げてみたら、太軸のフックが半分伸びていました。 ということで、新年の1尾目は60cmの立派なブラウンでした。 新年の1投目で仕留めた、というところが、自分的には物凄く満足(^^)v 今年も頑張ろう。笑 #
by nzsanpei
| 2020-01-09 10:54
| 釣り日誌
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2020年 01月 01日
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ニュージーランドは南島、クイーンズタウン在住のフィッシング・ガイドの気ままな釣り日誌。NZのフライフィッシングって、こんな感じです!?コメントお待ちしています! by nzsanpei カレンダー
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ニュージーランドでぜひ釣りをしてみたい、と思ったあなた!個人旅行をしてみたいあなたも!色々なわがままが叶う、完全オーダーメード制、現地のプロのツアー会社です。お問い合わせはどうぞお気軽に! 以前の記事
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